今日はこれ聴いた。

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名刺代わりの⑤SHISHAMO『SHISHAMO 3』

SHISHAMO 3』、名刺代わりのアルバムに選んでみたはいいもののどういう切り口で書いたらいいかまったく分からない! 先日のGRAPEVINEとはまた別の悩みです。

 

SHISHAMOSHISHAMO 3』

SHISHAMO 3

SHISHAMO 3

 

どの曲のフレーズもメロディも、なぜかふとした時に蘇ってくる。このアルバムはリズムにスリーピースならではのタイトなニュアンスがあって、そこが特にお気に入り。ストーリー的な歌詞なので、共感するしないを抜きにして、場面を想像しながら聴ける良さがある(そしてその場面も特殊なものではなく、表現の分かりやすさも相まって想像しやすい、というのもポピュラリティーがあって良い)。

このアルバムの好きなところを端的に語るとこうなるし、これらを掘り下げてもただの説明だし、このアルバム、これ以上なんか書くことあるだろうか……。

 

思い出的には、2015年に「熱帯夜」がシングルとしてリリースされたんですが、夏フェス最盛期と呼べるタイミングで、しかも「君と夏フェス」で人気を博していたSHISHAMOが翌年の夏にこのメロウな曲を出した、というのは結構なトピックだったかもしれません。この手のやや粘っこいリズムの曲は当時のSHISHAMOにはたしかほとんどなくて、フェス人気にあやからずに挑戦的なことを始めたぞ、と驚いた覚えがあったし、これが受け入れられたら大きく跳ねるんだろうな、と偉そうなことを思っていました。そんで実際フェス人気を超えてお茶の間(これはもはや実感のない言葉になってきたなあと思っていますが)に浸透するバンドとなった。調べてみたら「熱帯夜」のあとにリリースした「君とゲレンデ」でMステに初めて出たようです。まるで絵に描いたようなストーリー辿ってますね。

そういう、バンドの過渡期的な雰囲気がこのアルバムにはある気がします。「みんなのうた」ではそれまでやってなかったホーンセクションも導入してるし(さらに言うと「みんなのうた」ってタイトルの付け方がすごい。NHKじゃん)。

 

なんてつらつら書いても仕方がね〜というかこれは俺が書くべきことではね〜〜〜という気持ちがすごい。でも曲については「良い曲〜」ってこと以外書くことがない。なぜだ……?と思う反面、これこそがSHISHAMOの狙いなのかもしれない、とも思う。曲中のどのパートもポピュラリティーを高めるものとして機能しており、例えばチャットモンチーの「シャングリラ」みたいにいきなり五拍子を挿し込む謎展開はまずしない。フックは作っても違和感は作らないし、ユーモア以上にアイディアで勝負してくる。なので俺は「良い曲〜」ってことしか言えなくなる。そういうことなのかもしれない。

 

あとSHISHAMOは楽器がきちんと三人分澱みなく鳴っていて、パキッとしたバンドサウンドが好きな身としてもすごく嬉しいスリーピースバンドです。気合いの入りようというか、売れ線にしっかりと当ててくる感じはこの次の4,5あたりがすごく強い感じがして、メロディの立ち方はそっちに軍配が上がりそうですが、バンド感がより感じられるこの『SHISHAMO 3』が俺は好きだなと思います。