今日はこれ聴いた。

聴いた音楽について書くブログ。

Tokyo 7th シスターズ『IT'S A PERFECT BLUE』

IT'S A PERFECT BLUE

 

2021年3月リリースの2枚組フルアルバム。

Tokyo 7th シスターズ』はアイドル育成型リズム&アドベンチャーゲームとしてスマートフォンでプレイできるソシャゲです。作品のジャンルとしては『アイドルマスター』シリーズみたいなもの。

この手の作品になくてはならないのが音楽であり、このアルバムも作中の曲をフルサイズでまとめたものとなります。フルアルバムとしては4枚目で、それとは別に各ユニットのアルバムもリリースされているなど、同ジャンルの中では特に音楽面で存在感を示すコンテンツです(これについては、ゲームは育成のやり方とかがあんまり直感的じゃなかったりストーリーがやや強引だったりで序盤からつまづいてしまい、僕が音楽しか追いかけていないためにそう感じている可能性も大ですが……)。

 

前置きが長くなりましたがアルバムの話です。本作は2枚組でそれぞれが約1時間とボリューム満点。多岐にわたるジャンルの楽曲を、1枚目のイントロダクションと2枚目のアウトロダクションにあたるインスト曲で挟んでそれっぽくする力業でアルバムとしてのかたちを演出しつつ、1枚目は「Summer Sky」、2枚目は「Rainbow Sky」と名付け、それぞれ最後には「夏」「虹」を冠する曲を配置することで1枚ごとにもコンセプトを(一応)設けています。

1枚目のピアノのインストで主旋律のイントロを聴かせてから流れるロックチューン「MELODY IN THE POCKET」の始まり方は「(エモさで)絶対泣かす」と言わんばかりの過剰な演出で思わず笑ってしまうんですが、そういう演出に曲たちが負けていないのは素直にすごいなと思います。キュートな曲からクールな曲まで、どれも主役を張れる力がありますが、デジタルなアッパーチューンの「HEAVEN'S RAVE」「AMATERRAS」の存在感が特に抜群。キャラクター×音楽のコンテンツにおいて、主流はやはりポップスやロックで、そういった曲のクオリティの高さもさることながら、異なるジャンルを取り入れても様になるコンテンツとしての音楽性の幅広さはナナシスならではです。とか言いつつ僕の一番好きなパートはこれぞオルタナって感じのギターが聴ける「コドーモ・デ・ヒーロ」と息もつかせない展開で魅せる「LOVE AND DEVIL」というロックチューンの並んだところなんですが。歌詞にもユーモアがあって良い。

歌詞についてはストーリーやキャラクターを把握できてないので下手な言及は避けるべきだろうと思いますが、そのあたりを知らなくても表現としていいなと思える詞がたくさんあるところも推しポイントです(それだけに「令和にこれか〜」と思ってしまう詞もあるんですが)。

《特別な関係じゃなかった/遠くから見てるだけでよかった/読み掛けのサガンに栞挟んで/なのにどこか期待してる》の歌い出しで曲の主人公のキャラクターを見事に表す「スノードロップ」とか、固有名詞の出し方が上手い……

 

全部でだいたい2時間もあるので通して聴くのは大変ですが、好きなところをかいつまんで聴くだけでも十分ハマれます。